その屋外照明、本当に雨に強い?IP44・IP65・IP67の正しい読み方
屋外照明や浴室まわりの照明を選ぶときに見かける「IP44」や「IP65」。この数字は、灯具の外郭が固形物や水の侵入に対して、どの程度の保護性能を持つかを示しています。数字の意味を正しく理解し、設置環境に合う灯具を選びましょう。
IPコードは二つの数字で読む
IPは「Ingress Protection」の考え方に基づく保護等級です。IPの後ろにある二つの数字は、それぞれ異なる性能を表します。
IP 6 5
第1特性数字「6」=固形物・粉じんへの保護
第2特性数字「5」=水の侵入への保護
どちらか一方の性能を表示しない場合は、数字の代わりに「X」を使います。たとえばIPX4は、水に対する等級が4であり、防じん性能が4という意味ではありません。
第1特性数字:固形物と粉じんへの保護
最初の数字は、人が危険な部分へ接近することや、固形物・粉じんが外郭内へ侵入することに対する保護等級です。
| 等級 | 固形物・粉じんに対する保護内容 |
|---|---|
| 0 | 保護なし |
| 1 | 直径50mm以上の固形物に対して保護 |
| 2 | 直径12.5mm以上の固形物に対して保護 |
| 3 | 直径2.5mm以上の固形物に対して保護 |
| 4 | 直径1.0mm以上の固形物に対して保護 |
| 5 | 防じん形。有害な影響が生じるほどの粉じんが内部に入らない |
| 6 | 耐じん形。粉じんが内部に入らない |
注意:「IP5X」は粉じんが一切入らないという意味ではありません。粉じんが入っても、機器の正常な動作や安全性を損なう量には達しないことを示します。粉じんの侵入を許さない等級はIP6Xです。
第2特性数字:水の侵入への保護
二つ目の数字は、水滴、散水、噴流水、浸水などに対する保護等級です。数字が大きいほど試験条件は厳しくなりますが、異なる種類の水への保護を示している点に注意が必要です。
| 等級 | 水に対する保護内容 |
|---|---|
| 0 | 保護なし |
| 1 | 鉛直に落下する水滴に対して保護 |
| 2 | 外郭を15度まで傾けた状態で、鉛直に落下する水滴に対して保護 |
| 3 | 散水に対して保護 |
| 4 | あらゆる方向からの水の飛まつに対して保護 |
| 5 | あらゆる方向からの噴流水に対して保護 |
| 6 | あらゆる方向からの強い噴流水に対して保護 |
| 7 | 規定された条件で、一時的に水中へ沈めた場合に対して保護 |
| 8 | 関係者間で定めた条件で、継続的に水中へ沈めた場合に対して保護 |
重要:IPX7やIPX8は「水中への浸せき」に対する等級です。噴流水に対するIPX5やIPX6の性能を自動的に保証するものではありません。両方の条件に対応する製品では、複数の等級が併記される場合があります。
よく見るIP等級の読み方
| 表示 | 意味 |
|---|---|
| IP44 | 直径1.0mm以上の固形物と、あらゆる方向からの水の飛まつに対して保護 |
| IP54 | 有害な粉じんの侵入と、あらゆる方向からの水の飛まつに対して保護 |
| IP65 | 粉じんの侵入を防ぎ、あらゆる方向からの噴流水に対して保護 |
| IP67 | 粉じんの侵入を防ぎ、規定条件での一時的な水中への浸せきに対して保護 |
| IPX4 | 防じん等級は表示せず、水の飛まつに対する保護性能のみを表示 |
IP等級だけでは判断できないこと
耐食性や耐候性
IPコードは、主に固形物と水の侵入に対する外郭の保護性能を示します。塩害、紫外線、薬品、温度変化への耐久性を直接示すものではありません。海岸付近や工場などでは、材質や表面処理も確認します。
あらゆる設置方法での性能
IP試験は、規定された取付状態と条件で行われます。上下を逆にする、指定外の角度で設置する、ケーブル接続部を正しく処理しないと、本来の保護性能を得られないことがあります。
経年劣化後も同じ性能
パッキン、シール材、樹脂部品は、熱、紫外線、振動などで劣化します。定期的に亀裂、緩み、変形を点検し、メーカーの指示に従って保守します。
内部結露が絶対に起きないこと
温度差や内部に残った湿気により、保護等級の高い外郭でも結露が生じる場合があります。結露と外部からの水の侵入は同じ現象ではありません。設置環境、通気構造、排水設計も確認が必要です。
屋外照明を選ぶ前のチェックリスト
- 雨の飛まつ、噴流水、浸水のどれが想定されるか確認した
- 粉じんや砂ぼこりの量を確認した
- IPコードの二つの数字を別々に確認した
- 指定された取付方向と施工方法を確認した
- ケーブル引込部や接続部の防水処理を確認した
- 塩害、紫外線、薬品への耐久性も確認した
- 清掃時に高圧の水がかからないか確認した
- パッキンや外郭を定期的に点検できる
数字の大きさではなく、
水のかかり方で選ぶ。
IPコードは、灯具の保護性能を比較するための重要な指標です。ただし、同じ「水」でも、飛まつ、噴流、浸水では試験内容が異なります。設置場所で実際に起こる状況を整理し、対応する等級とメーカーの施工条件を確認しましょう。